TSUBAKI


散歩の途中に椿の実がたくさん落ちているのを見つけたので拾っておいた。
以前、栽培初挑戦の前に読んだひょうたん本に
「椿の実を布でくるみ砕くと、椿油が染み出すので、それでひょうたんを磨く」
という加工法が紹介されていた。
たいへんお洒落なやり方だと思い、
椿の実を見つけたらきっと拾おうと心密かに決めていたのだが、
案外、これが見つからない。
椿の花がわんさか咲き出す冬に、
他人様の生け垣に顔を近づけ、花が咲いた後に実がなるはずだから、と
いろいろ探したこともあったが、やはり見つからない。


ところが、
先週これから花がちらほら咲き出すというときに実を見つけた。
まだ青い花のつぼみが徐々に大きくなろうかという横で、
干からびた実が割れて、小さな栗のような種が落ちていた。
椿とは花が咲く前に実ができるらしい。


これを砕いたら、
内側からじっとりガーゼを湿らすほどの油分が染み出すとは、
ちょっと想像もつかないのだが、
ハンマー片手に挑戦してみる所存である。