部員リポート 23 Remember the Hyoudou

瓢箪ヲ育テル道ハ、人ノ生キル道 是レ即チ瓢道ト言フ
とは、安土桃山時代にその多彩な芸術センスでもって、
京の町の政治および文化に大きな影響を与えた本阿弥光悦の言である。
というのは真っ赤なウソであるが、
近ごろ、この瓢道の伝えるところを改めて学ぶべき事案が多発しているようである。


たとえば、はなだ部員。

こちらははなだ部員の旦那様が、
弱った葉を取り除こうとしているときに誤って、ひょうたんの実に直結する茎を切断してしまったのを、
何とかリカバリーしようと、テープで補修するという荒業に出た図である。
確かにこのテープの力で、切断された道管だか師管だかがくっつくことはないとは思うが、
はなだ部員によるとこれが原因で夫婦喧嘩が勃発したとのこと。
その気持ちはたいへんよくわかるが、少し待っていただきたい。
瓢道綱領5箇条のうちの、第2条をこういうとき心に思い浮かべていただきたいのである。

一、円相は平和の象徴 和を第一と心得べし


たとえば、8馬部員。
自宅のひょうたんは相変わらず実がならずとも、
実家の株がめきめきと結果を出している模様。

されど、受粉の成否はときの運。

たとえこんな「翁」のような、おもろい具合になってしまっても、
やいのやいのと騒がず、新たな命の誕生へ、ひたすらぐりぐりしてほしいのである。
ここでも8馬部員には、瓢道綱領5箇条のうちの、第1条をぜひ心に唱えていただきたいのである。

一、瓢々を旨とし小事にこだわるべからず


最後に、ふかの部員。
ここは、ふかの部員から同僚の8馬部員に送られたメールをそのまま転載させていただく。
こんにちは。
あつい日が続いてますが、ひょうたんお元気ですか。
孫請け瓢箪が、だめになってしまいました。
全滅の勢いです。

切ないです。
いま、もう根の方も枯れてしまったときいてます。
この状態で、収穫して「ひょたんごっこ」するしかないのでしょうか。
部長の考えを伺いたいです。
ひょうたんを一気に死にいたらしめる、おそるべき疫病が発生した模様。
まるで、葉っぱが温野菜のようになってしまったふかの部員の孫請ひょうたん。
丸投げ雇い主がこの悲嘆のくれようなら、現場の栽培員の落ち込みようはいかばかりだろうか。
何のなぐさめにもならないかとは思うが、あえてここは瓢道綱領5箇条のうちの、第5条を贈らせていただきたい。

一、不沈は不屈のあかし 精神力こそ肝心なり


部長からの回答を最後にお伝えしておく。
一個でもいい。「ごっこ」しなさい。